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波乱万丈のミックス犬との暮らし・・・・・・そして別れ

激安で売られていた愛犬

 

最初から波乱のスタートとなったトイプードルとパピヨンのミックス犬の購入ですが、当時まだミックス犬がそれほど価値のある時代ではなく、激安で販売されていました。

 

それもお店では案内の紙が張ってあり、こういうタイプのミックス犬が生まれているのですが、引き取り手を探しているというものでした。

 

毎日の生活に疲れを覚え、癒しが欲しい気持ちであったために、連絡を取り、犬を引き取ることになりました。

見た目はほとんどトイプードルに近く、犬のサイズも2.5キロほどしかありません。

 

実は後で知ったのですが、この犬は、自分たちの前に、この犬を引き取った人がいて、半年ほど育てていたそうです。

 

しかしあまりにもやんちゃで手に負えないということで、返されてしまった、いわば問題児の犬だったのです。

 

ルックスそのものは申し分ないほどかわいいのですが、自宅に連れてくると、確かに吠えるは、家でおしっこしてしまい大変です。

 

ベランダに出ると、狭い隙間から隣の家のベランダに入って、うんちをしたこともありました。

 

愛犬のしつけはとても大変

 

自意識が強く、自分が家の主であるかのような態度を出し、しつけもかなり大変でした。

 

それでも食事の時くらいはなんとかお座りとお手、くらいはするようになり、なんとか犬らしくはなってきましたが、それでもいろいろ大変でした。

 

どこかに出かけようとすると、吠えて必死に抵抗するし、それを振り切って出かけ、帰ってくるとおしっこをしている、そんなことは幾らでもありました。

 

我が家のボスのような立場に成り切っている感じで、とにかくわがまま、やんちゃです。

そして抱っこされるのは大好きなのですが、他の人間がその犬を触ろうとすると、唸り声をあげ、怒ります。

 

外見はかわいいのですが、性格は全くかわいくありません。

 

それでもこの犬、一度は捨てられた犬ですので、心に傷を負っているのも確かだろうと思い、受け入れた以上は最後までお世話をする決意をしました。

 

この犬は、異常に足が細く、関節に難がありました。

ある時にソファーが下りたときに、足を骨折してしまい、大変な思いをしました。

 

最後には、足が折れたままになってしまい、病院ではこの骨はくっつかない、このままいくしかないと言われました。

 

足の関節が外れたままになっている状態で、それでもソファーに上がり、降りるときには、クッションを下において、そーっとずれるようにして降りる、そんなテクニックも自然に覚えていきました。

 



人間をよく観察し、理解した犬

 

この犬は、人間の言葉がかなりわかるようでした。

 

こちらでしゃべっていることをよーく聞いており、その聞いた言葉を理解して行動しているのではないかと思えることが多々あったからです。

 

特に出かけることの話には、かなり敏感で、いじけたような素振りを魅せることが少なくありません。

 

そんなちょっとかわいい部分もあったりして、苦労して育てているだけに、愛情もまた沸いてきていて、難しい犬ほど愛したくなっていきました。

 

7歳くらいの時には、大きな病気をし、もう回復は難しいのではないかという状態になりました。

 

いつもは元気にはしゃいでいるのに、ぐったりしており、いつも座布団の上で寝ているような状態が1ヵ月くらい続きました。

 

病院から処方された薬を上げ続けていましたが、いっこうに良くならないので、このまま死を迎えるのか、そんなことを想像すると、泣けてきましたが、なんと奇跡なのか、元気になってきたのです。

 

食欲が出てきて、徐々に元気ないつもの姿に戻っていきました。

数々の試練を乗り越えてきた、この愛犬の底力を感じましたし、根性が凄いとも思いました。

 

年をとり・・・・・・そしてお別れの時

 

そうしているうちに、13歳になり、いよいよ死が近いという症状が出てきました。

食欲はあるものの、すぐに吐いてしまうのです。

 

病院では癌と告知されており、手術するという選択はしませんでしたので、このまま終わりを迎えることになりました。

 

最後の1週間はかなりつらくて、食べては吐くの繰り返しでした。

 

ぐったりとしているときも、こちらの顔色を必死に伺いながら、こんなに痛い思いをしているのに、誰も構ってくれないのか、とばかりの目でこちらを見ているようでした。

 

最後まで強気の気持ちと頑固さ、自分の強さを示しながら死んでしまいました。

死んでしまったときには、放心状態のようになり、涙が溢れてきました。

 

埋葬は、ペット火葬ではなく、自宅の庭に埋めて終わりにしました。

 

この出来事があってから、数か月は、思い出しては涙が出てくるような毎日で、ペットとの別れはかなりつらいものがありました。

 

本当に難しい犬だったなという思いと、それでも最後はこちらの愛情に応えて、優しい犬になっていった部分もあること、そして最後まで責任を果たすことができたという満足感と肩の荷が下りた安堵感がありました。

 

波乱万丈の犬との生活でしたが、犬に縛られているような中でも、やはり犬に助けられたきた部分が大きく、今でもこの犬には感謝の気持ちがいっぱいです。