独自の猫の飼い方
生後3ヶ月位の時に、我が家に迷い込んできた子猫がいました。
その名はニャンニャンと言います。
ニャンニャンをどんな風に飼っていたか、ちょっと紹介します。
猫の飼い方を特に勉強した事もなく、経験則でやっていたものだから間違っている事もありますが、そんな部分は反面教師として見て頂ければ幸いです。
猫のトイレの躾
ニャンニャンは頭が良かったのか、トイレに関しては全く問題を起こした事はありませんでした。
我が家に初めてやって来たのは迷い猫としてだったので、猫を飼う準備は皆無の状態で、従ってトイレもありませんでした。
だからその日のトイレは段ボール箱で、その中に新聞紙を細かく裂いて入れただけのものでした。
「ここがお前のトイレだよ」
と言いながら、その段ボールトイレの中にニャンニャンを入れました。
一度入れただけでしたが、言葉が通じたのか、全くそそうをする事なく、そこで用を足す様になったお利口なニャンニャンでした。
次の休日にちゃんとした猫用トイレを用意できるまで、段ボールトイレは活躍しました。
ニャンニャンはトイレの失敗は一度もなかったのですが、私の方が一度失敗しています。
買って来たトイレは、臭いを考慮して半透明の大きな蓋でスッポリと覆われるタイプでした。
横の出入り口の穴から猫が出入りします。
一戸建ての借家の時は玄関にそれを置いていました。
マンションに引っ越してからは、リビングの隅に棚を自作して、そのトイレを隠していました。
トイレの出入り口に合わせて開けた、棚の横穴から猫が出入りします。
そしてある日、事件は起きました。
トイレの失敗はニャンニャンのせいではなかった
朝、嫁さんが洗濯をしようと洗濯機の中を覗くと、洗濯槽の中にニャンニャンのウンチが転がっていたのです。
そんな事は初めてのことなので、嫁さんはニャンニャンに
「どうしたの、こんな所にウンチして。ダメじゃない」
とか小言を言っていました。
ニャンニャンはチンと座って嫁さんを見上げていました。
しばらくして嫁さんが「あ、これだ」と叫びました。
うっかりと私がトイレの蓋を前後反対にして棚に入れていたのです。
つまり棚の出入り穴は、トイレの蓋で塞がっているのでトイレに入ることができません。
ニャンニャンはウンチはしたいのにトイレに入れなくて、きっとウロウロしていたことでしょう。
我慢しきれなくなったニャンニャンは、入った時の様子がトイレと似ている洗濯槽の中にウンチをしたのでした。
嫁さんに叱られた時、ニャンニャンは
「だって・・」
と思っていたのに違いありません。
ニャンニャンごめんね。
猫の餌=カリカリごはん
ニャンニャンの餌を我が家では、カリカリごはんと呼んでいました。
それはいわゆるドライフーズで、ニャンニャンがカリカリと小気味よい音で噛むからです。
色々なメーカーが色々な種類を出していますが、猫にも好みがある様でニャンニャンも好きなカリカリがありました。
それでも毎日二度二度(三度三度ではなく)の食事が同じカリカリでは飽きるのでしょうか、食べる量が減っていき、しまいにはほとんど食べなくなってしまいます。
そこでたまには缶詰の生餌にしたり、誕生日にはちょっと奮発して少々高価な缶詰をあげるなどしました。
やはり美味しいのでしょうね、喰い付きが違います。
煮干しを与えた時は頭ばかり食べ残していました。
美味しい部分を良く知っています。
そして、ニャンニャンの一番の好みは猫らしからぬ、アンコでした。
アンコの缶詰を開けるとまとわりついて離れません。
缶の内側にくっ付いているアンコを、缶を水洗いしなくてよいほど綺麗に舐め上げていました。
猫は草も食べる
猫の食事で大切なモノは意外や草です。
ペットショップに猫草が売られています。
一戸建て借家の時は裏庭の雑草を食べていましたが、マンションで部屋猫になると、猫草を用意しなければなりません。
枯れてくるとまた用意するのが面倒で、ある時、猫草の種なるモノを見つけました。
小さな植木鉢にそれを蒔いて水をやると簡単に伸びて、いかにも食べ易そうな猫草に成長します。
その鉢の草が枯れ始める少し前に、別鉢にまた種を蒔いておきます。
するとまた猫草が伸びてくるという具合で、安価でとても重宝しました。
猫の毛繕い
春先、冬毛が抜けて夏毛に生え替わる時期があります。
部屋の隅っこのあちこちに、ニャンニャンの丸まった抜け毛がフワフワと転がっています。
我が家ではこの時期のニャンニャンの毛繕いを、手の平がイボイボ付きのゴムになった布製の毛繕い手袋でしていました。
その手袋で体中を優しく撫でるだけで、イボイボに抜けた毛が引っ掛かってきます。
その量たるや、まるでフェルト生地の様になるほどでキリがありません。
いつまで撫でていても終わりはなく、あまり長時間になると、最初は気持ち良さそうに寝転んでいたニャンニャンも、仕舞いには手袋に噛みついて蹴りを入れる始末です。
猫の爪とぎ
借家の時には、居間の化粧砂の壁がボロボロになって下地が現れるほど、ニャンニャンが爪とぎをしていました。
裏庭の小さな植木の幹は、一部分の樹皮がむけて木肌が丸出しになっていました。
マンションに越してからは、樹脂製の壁紙が爪とぎの被害にあいました。
してはいけない所で、爪とぎをすると叱られるのは分かっているので、開けた扉の裏側の壁でこっそりと爪とぎをする知能犯でした。
もちろん爪とぎ用の道具は用意してあるのですが、それ以外の場所でもやってしまうのですね。
これは猫の本能だから仕方がないという事は後で知りました。
そんなだから、たまに私や嫁さんがいる前で、思わず壁にしがみ付いてしまう事があります。
私たちが「あっ!」と声を上げると、ニャンニャンはその姿勢で固まります。
そして一瞬後に脱兎ならず、脱描の如く逃げ去ります。
ニャンニャンなりに「しまった、やってしまった!」と思うのでしょうね。
最近はネット検索で正しい猫の飼い方を知ることができます。
ニャンニャンが死んでから今になって、彼女には可哀そうなことをしたと思う事もあります。
しばらくは他の猫を飼う気がしなかったのですが、この頃やっと可愛い子猫がまた欲しいと思う様になりました。
次の猫にはもっと居心地よく、気持ちの良い環境を作ってあげたいと思います。