念願だった「猫を飼う」ということ
5年前、私たち夫婦は家を購入しました。
目的はほぼ「猫を飼うため」です。
お互いマンションだったり、家人が猫が苦手だったりして、生まれたときから猫を飼えない状況でした。
なので、猫好き二人が結婚したときからの望みを叶えた形になります。
家を購入して1か月もしない頃、同級生の里親ボランティアをしている子から、一本の電話がかかってきました。
「猫が好きで、飼いたいって言ってたよね?実は今家に1匹子猫がいるんだけど、見に来ない?」とのこと。
私たち夫婦は迷いました。
「まだ引っ越しの荷物も全部片づけていないのに、飼えるのか?!」「ペットを飼った経験がほぼない二人だけど大丈夫なのか?!」
と夫婦会議を1日行った結果、とりあえず見に行こうと友達の家へ。
これぞまさに運命の出会いといいますか、目の前にいたのはとにかく可愛い茶トラの赤ちゃんでした。
まだ哺乳瓶でミルクを飲むような幼さ、ですが人には慣れているので私たちの肩にも登ってくるのです。
「飼おう…」と即主人がつぶやいたことから、うちの猫との生活がスタートしました。
余談ですが、この子は大雨の日に一人で鳴いているところを、ボランティアの方に見つけてもらったラッキーな子だったそうです。
友達の家で献身的にお世話をされて、本当に人に慣れていました。
猫との生活
猫と私たちの生活は、慣れるまでがとても大変でした。
まだまだ小さい子猫なので夜は4時間おきくらいに鳴いてミルクを欲しがります。
その後は排泄。
これも私たちがティッシュで促してあげないと出せなかったのです。
「人間の赤ちゃんもこんな感じかな?」と夫婦で話していました。
その当時、大きく悩んではいなかったのですが、私たちには子どもが出来ず、家を購入したものの「夫婦二人と猫一人では大きすぎるな」と思ったことを覚えています。
しかしうちに猫がやってきてから3週間後、なんと私の妊娠が発覚しました。
猫には1年足らずでお兄ちゃんになってもらうことを申し訳なく思いましたが、うちの猫が赤ちゃんを一緒に、我が家に連れてきてくれたんだなと思います。
妊娠中、おなかが大きくなるにつれ不思議なことに、それまで1回もお腹に乗ったことがなかった猫がお腹に乗るのです。
といっても赤ちゃんがいるほうではなく、胸のあたりにかけて乗ってきます。
そしてそこに寝るのです。
「守ってくれてるのかなぁ…」とほっこりもしましたが、正直めちゃめちゃ重かったです。
あとお腹の子はビックリしたでしょうね(笑)
赤ちゃんと猫
産後病院から赤ちゃんを連れて帰ってきたときに、不思議そうな顔をしてベビーラックを覗いていた顔を忘れません。
そのあとベビーラックに自ら乗ってきたのは、俗にいう赤ちゃん返りでしょうか。
茶トラの気質なのか、我が家の猫が優しすぎるのか、赤ちゃんに威嚇したり、何かをすることは一切ありませんでした。
ほんとにまるでお兄ちゃんのように振る舞ってくれていました。
娘が動き始めたり、立ち始めたりすると決まってターゲットになりますが、決して猫パンチもせずにじっと堪えている猫。
(もちろん、感謝の気持ちを込めてそういう時は特別なごはんにさせていただいてます。)
一番びっくりしたのは、娘がはさみで紙を大量に切っていて、その小さく切った紙を猫の上にどんどん乗せていっていたのです。
しかも、うちの猫は全くもって動かずされるがままです。
本当にできたお兄ちゃんです。
少し大きくなった今では、娘が猫におやつを与えることもできるようになりました。
娘のほうも、絶対に猫の嫌がることをしません。
どうしても追いかけたり、尻尾をつかんだりしてしまう子がいると思いますが、そういったことは全くしなくなりました。
生まれたときからずっと一緒に猫と暮らしているおかげか、他の動物に対しても、怯えたりすることなく接していきます。
野良猫に声をかけたりすることもあって、親としては恥ずかしいですが・・・。
現在5歳の猫ですが、寒いときは娘の足元で寝たりと少しずつ距離が縮まっていっています。
猫の仲裁
先日私が娘に注意をし、娘が泣いているところにスタスタと歩いてきて、「にゃーん♪」と鳴きながら私たちにスリスリしてくるではありませんか!
あまりの可愛さに私も笑ってしまい、娘も泣き止みました。
他の日も、娘が泣いていると走ってきたりすることがあるんです。
「にゃーん!!(なんか泣いてるよ!)」と私の顔を見て教えてくれたりするんですが、私は怒ってる当事者なので知ってるよ・・!!と心の中で思いつつも兄貴っぷりに癒されています。
あの日一緒に我が家に連れてきてくれた娘も大きくなってきました。
猫と暮らすというだけで幸運が沢山訪れるというのに、うちの猫はもう一人かけがえのない幸せも運んできてくれました。
これからは私たちが彼を幸福にしてあげたいなと思っています。
5歳という年齢的に人間でいうと40歳のおじさん位…
体調等にもきちんと気を付けて「この家に来てよかったなぁ」と思ってくれるような家族でありたいなと思います。