「猫付きマンション」の実態
かねてからペットを自宅で飼ってみたいという想いがありながらも、両親の反対でずっとあきらめていました。
しかし、社会人になって一人暮らしを始めるという時に、思い切ってペットを飼うことを決断。
ペット可の物件を探していたところ、「猫付きマンション」という物件が目に入ってきました。
猫付きマンション?
ドアを開ければ扉の向こうに猫ちゃんが部屋にいる?
・・・なんて想像もしてみましたが、もちろんそんなんではないです。
不動産屋さんの話を聞いてみると、自分で保護施設へ行ってお気に入りの猫を見つけて、里親になって持って帰ってくるというシステムでした。
早速、部屋を契約して引越しを済ませてから保護施設へ向かうことに。
到着すると、そこは猫と遊んで気に入った猫がいれば里親になれるという、「猫カフェ兼保護施設」のような場所でした。
ペットを飼った経験がなく、猫に慣れていない状態です。
そんな私にとって、猫がたくさんいる保護施設はとても緊張する場所ですが、意を決して恐る恐る中に入ってみることに・・・。
そこには子どもから大人まで、幅広い年齢のさまざまな種類の猫が暮らしていました。
中にはケージに入ったままの猫もいました。
どうやら時間制になっており、時間が来るとケージに入っている猫と、外にいる猫が交代して、運動したり人と触れ合ったりするようです。
じっと動かない猫、訪問者の荷物を漁るイタズラな猫。
いろいろな猫がいる中で、必死に猫じゃらしで遊ぶ一匹の黒猫がいました。
実は猫付きマンションは、保護施設の中でも2歳以上の成猫でないと、連れて帰ってこれないというルールでした。
その黒猫はちょうど2歳の大人の猫でした。
愛嬌もあるし、遊び好きだし、こいつを連れて帰ろうと思いました。
そうして、2歳の黒猫をキャリーバッグに入れて帰りました。
愛猫となった黒猫
クリクリした目とまん丸な顔の形が印象的だったため「マルちゃん」と名付けることに。
しかし、人見知りが激しいこのマルちゃんは、最初の3日間は部屋の隅に隠れて全く出てこようとしませんでした。
エサもまともに食べない有様でした。
そこで食欲を刺激するために、カリカリや缶詰めを電子レンジで軽く温める工夫もしてみました。
鼻をクンクンさせる仕草を見せているので、どうやら食べたい様子ではあるものの、警戒して口にしようとはしません。
しかし、あるごとに気づきました。
私を警戒するため、部屋の隅にエサを置いてみたのですが、それが逆効果だったようです。
というのも、警戒すべき私の姿が見えないため、隠れた場所から姿を現そうとしないのでした。
そこで、私の姿が見えるところにエサを置くと、恐る恐る姿を見せて、エサに口をつけ始めたマルちゃん。
どうやら私がテレビを見ながら、夕食を食べている姿を見て、今なら大丈夫だと安心したのでしょう。
警戒心の強い猫は懐くのが早い?
その後、家に連れて来て3日目に、突然ニャーニャーと鳴き出して、私に甘え出したのです。
警戒心の強い猫は、一度心を許すと他の猫よりも甘えん坊になるようです。
今でも名前を呼ぶと、いや、目が合っただけでこちらに勢いよく走って来て甘えます。
飼ってみて意外だったのですが、猫は人に甘えないと聞きますが、うちのマルちゃんは犬よりも甘えん坊だと思います。
それからこちらも飼ってみて知ったのですが、やはり夜行性なので夜はとっても活発的に動きます。
日中に運動をさせると夜は疲れてる寝る。
人の生活に次第に猫も合わせるようになる。
という風に聞いたことがありますが、私は会社勤めのため、日中に遊んでやることがなかなかできません。
ましてや、保護施設の中でも遊び好きだったマルちゃんです。
夜中に暴れ回るマルちゃんには毎晩悩まされています。
年がら年中寝不足ですが、これは猫を飼っている人は皆さんそうかもしれませんね。
あとは、保護施設の人にも事前に伝えられていたのですが、マルちゃんには噛み癖があります。
これは小さい頃から、しっかりしつけをしておかないと直りません。
こればかりは、大人になってから預かった私にはどうすることもできません。
甘えるとすぐに噛んでくるマルちゃんですが、これはきっと直ることはないでしょう。
保護施設と猫付きマンション
ただし、これだけは補足しておきたいと思います。
保護施設ではトイレのしつけなどはしっかりされております。
事前に去勢手術やワクチンの接種も行なってくれています(施設にもよると思いますが)。
里親になる際もお金がかからないため、もしペットがほしいと思った時には、動物の命を助けるという意味でも、ペットショップではなく保護施設からぜひ預かっていただきたいと思います。
また、「猫付きマンション」はその名の通り、猫のためのマンションなので猫仕様になっています。
猫の運動不足解消のためのキャットウォークなどが備え付けられているため、こちらも猫を飼いたい方にはぜひおすすめです。
今年でマルちゃんは7歳になりました。
オスなので、人間でいうおじいさんの年齢になりますが、これからもずっと健康に長生きしてもらいたいなと思っています。