猫と犬、どっちが好き?
あなたは猫派?それとも犬派?
最近、巷ではよくこの論争をしています。
因みに私は両党使いで、猫も犬も大好きです。
ただ、猫の方が飼うのに手間が少ないというだけの理由で、今まで猫しか飼った事がありません。
それはともかく、犬派の理由としてしばしば挙げられる事の一つは、猫の方はお澄ましで表情がなくて、何を思っているのか分からないから、面白くも可愛くもないらしいです。
猫も犬も好きな私から見ても、確かに感情表現については、尻尾を振ったり跳ね回ったりと、犬の方が激しくて明確なので人には伝わり易いと思います。
でもだからと言って、猫が感情表現に乏しいのでは決してありません。
猫嫌いな人、猫を飼った事の無い人が猫の感情表現の仕草を知らないだけで、そんな人にとっては驚くほど猫は様々な感情と個性を持っています。
知らない場所は不安
私が一番最後に飼った猫のニャンニャンは、子猫の時に一戸建ての借家に来て、成猫になってからマンションに引っ越しました。
始めて新居のマンションに連れて来られたニャンニャンは、キャリーバッグに入って運ばれている時から、不安で鳴き続けていました。
新しい部屋に放すと直ぐに、彼女は押し入れの荷物の隙間に飛び込んでしまい、奥の方で鳴き続けました。
その鳴き声の大きさたるや、鳴き死んでしまうのではと心配になるほどでした。
そんな風に丸一日鳴きっぱなしでした。
その鳴き声は私の耳には、
「違うヨ~。こんな所、私の家じゃないィィ!おうちに帰りたいヨ~。」
と泣き叫んでいる様に聞こえました。
可哀そうで、慣れてくれるのか心配しましたが、やがて泣きつかれて眠った後、起きて来た時には恐る出て来て、お水と餌を摂ってくれたのでホッとしました。
食べ物の好み
ニャンニャンの通常の餌はドライフーズでしたが、ウナギの蒲焼が大好きでした。
いくら私が猫好きだとは言え、さすがにウナギそのものを猫に与えるほど、酔狂でも裕福でもありません。
私たちが食べた後の頭がニャンニャンの分になりました。
「久しぶりに、ニャンニャンに鰻をあげようか」
というセリフが、鰻を夕飯にする時の私たち夫婦の言い回しでした。
ニャンニャンのもう一つのお気に入りは、不思議な事に甘いアンコです。
離乳期に口にした経験でもあるのでしょうか?
甘辛い鰻に甘いアンコ。
甘党のニャンコでした。
そういえば私が子供の頃に飼っていたある猫は、対照的にあの辛いアラレの「柿の種」が好きでした。
家のどこに居ようとも、柿の種の袋を開ける音だけで、飛んで来るほどの好物でした。
刺激物が苦手な筈の猫なのですが、これもまた変わり者の猫でした。
猫も足の裏はくすぐったい?
猫の肉球の可愛らしさは、猫派が猫を好きな理由に挙げる一つです。
私ももちろん肉球のフニュプニュは好きですが、もっと好きなのは肉球と肉球の間です。
つまりそれは指の間。
ここをコチョコチョと弄ると、ビヤ~と4本の指が広がるのを知っていますか?
それも前足よりも後ろ足の方がよく広がります。
猫も足の裏はくすぐったいのだと、私はこの現象を勝手に理解しています。
因みに猫の脈拍を測った事はありますか?
猫の手首は前足のかなり上です。
一つだけ離れた所にある肉球の上あたりです。
これが親指で、猫派それ以外の4本の指で歩いているのです。
だからその肉球の上部ぐらいが手首で、そこを指の腹でそっと抑えて見ると、小さく早い脈拍を感じられます。
人と比べると心拍数はずいぶんと速いです。
鼻を摘まむとどうなる?
ニャンニャンの鼻を摘まむ悪戯を私はしばしばやっていました。
当然ながら息ができなくて苦しくなったニャンニャンは、摘まんでいる私の指を顔を背けて外します。
すると私はまたその鼻を摘まみます。
何故、私がしつこくそんな悪戯をするかというと、昔、黒ニャンという名の雄猫の鼻を、子供の私がよく摘まんで悪戯していたからです。
黒ニャンはやがて口で息をする事を覚えたのです。
寝ている黒ニャンにその悪戯をすると、起きもせず口でハァハァと息を始めるのです。
何でもないその様子が面白くて私はこの鼻摘まみをしていました。
ニャンニャンにも口での呼吸を教え込もうとしたのですが、とうとうニャンニャンは覚えず仕舞いでした。
そんな所にも私は猫の個性を感じてしまいます。
足を突っ張るのが好き
夜の就寝時、ニャンニャンも布団の中に潜り込んで来ます。
ある時、ニャンニャンが私の背中を4本の足で、突っ張る様に押しているのに気が付きました。
好んでそうしているのか、たまたまそんな姿勢になったのか確かめる為に、ソファで1匹で昼寝をしている時に、私は手の平で足の裏を押してみました。
すると4本の脚を真っすぐに突っ張ってその手を押し返したまま、気持ち良さそうに眠っています。
何が気持ち良いのか私には知る由もありませんが、ニャンニャンがこの姿勢が好きなのは間違いない様です。
それからニャンニャンが眠っているのを見つけると、私はいつも手で足突っ張りの姿勢をとらせていました。
こんなことを好む猫もまた初めてでした。
まとめ
当たり前の事なのですが、生き物はその種独特の生態を有するのが当たり前です。
また同種でも、個体それぞれ特有の個性があるのもまた当然の事です。
犬は犬なりの、猫はまたそれ特有の生態があり、その中でさらに様々な個性があります。
もちろん人にもそれぞれ個性があり、好みというのもその一つですから、猫と犬に関しても好き嫌いが生じても無理はありません。
でも食わず嫌いや無知から来る偏見で、折角の楽しみを経験できない事は、両方が好きな私にするととても惜しいと思います。
猫も犬も両方ともとても可愛く、一緒に暮らしてこんな楽しいパートナーはありません。