初めての愛犬「むくちゃん」
飼い犬「むくちゃん」を飼い始めたのは、私が小学4年生の頃でした。
周りの同級生が、みんな動物を飼っていて、私もほしい!となって親にお願いをしたら、近所で生まれた子犬をもらってきてくれました。
かわいい雑種犬で、鼻と耳が黒くて、体はクリーム色の男の子です。
むく、と名付けました。
由来はもう覚えていませんが、私が「むくがいい」と決めました。
とても元気な子で、散歩にいけば、飼い主を引きずる勢いで走りだし、止まったと思ったら電柱の回りをぐるぐる周りだしたり、とお外が好きな子でした。
また、愛想もいい子で、知らない人が来ても、口を開けて(誰?遊ぶ?)と言っているかのように、ニコニコしていました。
もっとテンションが上がると後ろ足だけで立ったり、150センチある私の顔のところまでジャンプしてきたり、びっくりするような運動神経を見せてくれました。
番犬には向かなかった愛犬
頭を撫でようとすると目をつぶり、耳を伏せて、撫でられる準備の顔をします。
手をかざしたまましばらくすると、(あれ?)(手が降りてこないぞ?)と言うような顔をして、目を開けます。
目の前に私がいるのがわかると、(もう~)(早く撫でてよ~)と言うような顔をして、私の顔をなめてきました。
そのあとに、ちゃんと頭を撫でてあげると、とても満足そうに、嬉しそうな顔をしていました。
ずっと外飼いだったのですが、人も動物も好きすぎて番犬になりませんでした(笑)
散歩に行くと、近所で飼われてる犬に会うことがありました。
むくは人見知り(犬見知り?)をしない子で、初対面でもガンガン挨拶にいってました。
ただやっぱり、最初から心の扉全開という子はあまりいないみたいでした。
たまに他の犬とすれ違っても、すぐ走って寄っていってしまうのですが、勢いがありすぎて、だいたいは怯えられてしまっていました。
むくも友達になれずにしゅん…としてしまう、までがひとつの流れになっていました。
同じ犬以外にも、鳥が好きで、鳩がたくさんいる場所によく突っ込んで行きました。
もちろん鳩は近寄っていくと、ぶわぁっとみんな飛んでいってしまいます。
むくはそれも面白いらしく、何度も突っ込んで行きました。
鳩には申し訳なかったですが、むくは追いかけっこをしているようで、楽しかったのかもしれません。
年をとって大人になるということ
大人になると、徐々に落ち着いてきて、散歩も私の横について歩くようになりました。
時々こちらを見上げて「いる?」みたいな顔をするのが、かわいかったです。
それ以外にも、(遊んで!)アピールも徐々に減っていきました。
人が近づいても、リードを持ってる人か、おやつを持ってる人でなかったら、1度目線だけ寄越して、「何の用?」「遊ばないんでしょ~」「お菓子持ってるときに声かけて」とでも言うようにまた元に戻り、そのままムシすることもありました。
後ろ足で立つこともほぼなくなり、撫でると嬉しそうな顔をしますが、飛び付いてくることもなくなってしまいました。
筋肉ムキムキの中型犬が、ダッシュからの飛び付きをされると人の方が怪我をしそうなので、飛びかかられないのはよかったのですが、少し寂しくもありました。
ただ、大人になっても人が好き、動物と好きなのな相変わらずで、散歩中に合う動物にはすぐ駆け寄っていきました。
鳩に突っ込んでいくのも変わらずで、勢いはないですが、ちょこちょこ小走りで駆け寄っていくようになりました。
そのお陰か、ただ単に慣れただけなのか、鳩も最初の頃のようにぶわぁっと飛んでいくことはなくなりました。
ちょこちょこ逃げる鳩と、ちょこちょこ追っかけてくむく、というかわいい場面を見られることが増えました。
また成犬になると見た目も変わってきて、耳が体と同じクリーム色に変わり、口の周りだけが黒くなってしまい、面白い顔になってしまいました。
見るとふとしたときに笑ってしまうのですが、むくは人が笑っている顔が好きなようで、むくも笑顔になり、またそれが余計にマヌケな泥棒にみえておかしかったです。
変わらず大好きなむくちゃん
他には、むくは中型犬の長毛+小顔なので、首輪が抜けてしまうことがよくありました。
特に、首輪は小さい頃の散歩だと特に、首輪の輪っかの金具に直接リードの金具を引っ掻ける形だったので、むくが首すくめてしまうと、すぐ抜けてしまうことがよくありました。
ただ、離れても一人でどこかに行ったりはせず、リードの長さ圏内以上に遠くに行こうとはしませんでした。
ただ何度も首をすくめてしまう癖は直らなかったので、首輪の代わりに、ハーネスをつけて散歩に行くようになりました。
最初はハーネスに違和感を持っていたようですが、次第に慣れていき、ハーネスを見ると(散歩だ!)と喜ぶようになっていました。
私がイラついている時も、変わらずにニコニコしてくれましたし、悲しくてモヤモヤしているときも散歩に付き合ってくれました。
冷たい態度をとってしまっても、めげずに(遊ぼ!)と寄ってきてくれました。
今思うと、もっと遊んであげればよかったし、散歩も行きたいだけ行けばよかったと思います。
もう散歩に行くことはできないですが、ずっと変わらずに「むくちゃん」が大好きです。