ペットショップで出会ったフレンチブルドッグ
真冬の二月の寒い日に、たまたま入ったペットショップで、フレンチブルドッグの女の子と出会いました。
後にうちのペットとなる、現在12歳になったワンちゃんです。
当時私は24歳で、その時付き合っていた彼と半同棲中でした。
お互い結婚したいね、なんて言っていたくらいのときでした。
私は小さな頃からいつも家には犬がいるという生活をしており、その彼も大の犬好きでした。
その日はホームセンターに用事がありその帰りに、併設してあったペットショップに何気に寄ったところでした。
たくさんの子犬がいる中で、目が合いました。
ケースの中からじっとこちらを覗いているフレンチブルドッグ。
すんごく可愛い顔でした。
真っ白のフレンチブルドッグです。
でも、おや?
よく見ると少しばかり他の子よりも大きいような?
生後4カ月の女の子です。
そしてお値段368000円から186000円になっていました。
そうです、少しばかり大きくなりすぎた、いわゆる売れ残りの子でした。
お高いはずのフレンチブルドッグがなぜ・・・?
当時はフレンチブルドッグブームになったところで、フレンチブルドッグという、犬種はそもそも出産できる数が少ないようで、お値段も高くて当然でした。
なぜ?こんなに可愛くて大人しそうなのに。
早速、店員さんに声をかけ、この子抱っこできますか?
と尋ねました。
もちろんです!この子可愛いんですけどね。
うちの店はファミリーの方が多くて子育てしてる方が多いんですが、性格にちょっと難ありで、ファミリーには受けないんですよ。
と、言われました。
なんのこと?さっぱり分からず・・・。
とりあえず、ゲージの中から出してもらってすぐに意味が分かりました。
ゲージから出たことが嬉しすぎたのか、ジャンプしまくりのきゃんきゃん吠えまくりでした。
そして私達が抱っこすると、顔を見てベロベロベロベロ。
なるほど。勢いがすごすぎて、小さな子供達は圧倒されてしまうのか。
とりあえずペットショップを出て行きましたが、何故か後ろ髪ひかれる思いでした。
どうしても気になってしまう犬
2日後、仕事が終わった18時頃、彼から着信がありました。
今からそちらに向かっていい?迎えに行くよと。
その彼とはいつも、一緒だったので、当然のごとくオッケーして、迎えに来た彼の車に乗りました。
すると彼の家の方向とはなぜか逆方向へ。
どこ行くの?
と尋ねたところ、あの犬気になっちゃってさ。
ずっと考えててさー、元気かなって。
あのまま売れ残ったらどうなっちゃうのかなとか。
なんか、妙に心配なんだよね。
私も同じことを考えていました。
今まではペットショップで見たワンちゃん達は、その場で撫でたり抱っこさせてもらったりして満足していました。
しかし、その子の事はずっと気になっていました。
それで彼と車の中であらかじめ決めたんです。
今から行って、まだいたら今日連れて帰ろうか、と。
彼はもう決めていたようで、しっかり現金も持って来ていました。
ペットショップに着くとなぜか妙な緊張感でした。
なんだか人生が変わるような不思議な気持ちでした。
居ても居なくても、自分はどう思うんだろう?
そんな気持ちで入店し足早にゲージに向かいました。
居ました。
フレンチブルドッグの女の子と目が合いました。
その時、めちゃくちゃ喜んだんです。
自分でも、本当に驚いたのですが・・・。
前はゲージから出したら喜んでベロベロしたんですが、今回は目があったらまるで覚えてたよ!と言わないばかりにその子が喜んだんです。
うん、もう連れて帰ろう、二人で即決しました。
ゲージから出してもらい再度抱っこして、ベロベロされました。
うん、これこれ、このやんちゃ具合がこの子らしいよね!と、まだ当時24同士で、若くしてハツラツとした私達にはむしろこう相性に思えました。
店員さんもすごく喜んでくれました。
どうやら売れるか心配していたようです。
ペットショップで首輪やお皿などを購入して、車に乗せて家に帰りました。
家に着いた途端・・・
車の中で私の膝の上に乗りながら、少し不思議に思っているのかな?
外を見て見たり、運転席の彼の方に行って見たりと、そわそわ落ち着かない女の子でした。
もうすぐおうちにいけるよー!新しいおうちだよ!
名前は何がいいだろうねー!
と、話しかけながら幸せいっぱい3人で家に向かって居ました。
途中で飽きて来た様子でした。
ふと、私が手に持って居た財布をがぶり。
え??と思いました。
すぐに、これは大切なものだから噛んだらダメだよ!
と言って、財布を口から離そうとしました。
次の瞬間、ガルルルル〜〜と、大きな唸り声をあげられてしまいました。
私は驚いて固まってしまいました。
私はもしかしたら、大きな決断ミスをしてしまったのか?
そんな気持ちで不安になってしまったのをすごくよく憶えています。
店から連れて帰ってもらうまで、ネコを被ることにしていたのでしょうか?
今でも、あの瞬間の事は鮮明に覚えています。
それが、フレンチブルドッグの女の子を連れて帰るまでのお話です。