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【パピヨン】犬の痴呆発病から亡くなるまで

人生100年時代なんて言われてますが、お犬さまも長生きの時代です。

これから紹介するのは、私が飼い主として体験した、犬の痴呆に関する体験談です。

 

愛犬パピヨンの異変は突然やってきた

 

小型犬を飼っていらっしゃる方であれば、犬も腰を悪くすることがあることはご存じかと思います。

 

我が家のパピヨン、なんだか最近調子悪そうだな、腰を痛めたのかな?

なんて思いながら、足をひきずっているねぇ、ぐらいの考えでいた頃です。

 

犬齢も13年ぐらいです。

統計的には、もうあと1~2年しか生きられない年齢です。

 

お年寄りだからしようがないよねぇ、と常々言っていました。

 

テレビをみながら抱っこをしていたでしょうか・・・細かい記憶は定かではありませんが、突然大きな声で狂ったように吠え出したのです。

 

もともとおとなしい犬だったので、吠えるなんてほとんどありませんでした。

人間でいえば「イっちゃってる」状態で、聞いたことのない鳴き声でした。

 

妻と慌ててどうしたんだと、さすったり、名前を読んだり、色々しました。

結果的に、30分ぐらい吠え続けていました。

 

最終的には、いつも行っている病院でもらっていた、薬を飲ませたことで落ち着きはじめ、動きがだんだんおとなしくなり、発作はおさまったのです。

 

後日、病院で診てもらった結果は、やはり加齢からくるものだろうということで、同じような薬を処方してもらったと思います。

 

パピヨンの不審な行動はまだまだ続く・・・

 

数日後、初回と同じように吠え狂うわけでは無かったのですが、シクシクと鳴くように声をあげるのです。

 

後ろ脚が発作のときからハッキリ動かなくなり、独りでは歩けません。

なので、お腹を支えてやると、前に歩こうとするのです。

 

でも、なんだか具合が悪くて、部屋の中を回るような感じでした。

そして、この「お散歩」短くて30分から1時間、ほぼ毎日するようになったのです。

 

さすがにいつまでも手で支えるのはこちらもしんどく、そのうち、犬用の歩行補助ひものようなものを購入しました。

 

それすら面倒になるぐらい、来る日も来る日もお散歩が続いて、手作りの車椅子なんかも作ったことがありました。

 

でも、歩き方がおかしく、常に「回る」ように歩くので、素人が作った車椅子ではうまく進みません。

 

かといって、歩行補助ひもを持っているだけだと、ひもがグルグル巻きになってしまうので、一緒に「お散歩」しなければなりません。

 

「お散歩」の時間は日に日に伸び、長いときでは0時から4時ぐらいまでやっていることもありました。

 

こうなると、もうまさに介護です。

 

人間の子供がお乳を欲しがって、夜中に泣く生活がやっと終わったような時に、今度は介護です。

 



パピヨンの介護

 

後から考えたら、人間の介護なんてとても務まらないと思いましたが、その時だって、最後の最後は冷静に看病をしていられる状況ではありませんでした。

 

妻も子供の世話やら家事で疲れている・・・。

自分も仕事から帰って疲れている・・・。

 

そろそろ寝ようか・・・それが23時か0時くらいの時です。

もしくは眠りにつこうかという、夜中1~2時ぐらいに鳴くのです。

 

シクシク・・・お願いだからこっちにきて、というふうに鳴くのです。

 

はじめは可哀そうだから、抱っこしながらあやしたりしました。

次第に、パピヨンが自ら歩きたがって「歩かせて!」と動き始めます。

 

息を切らせながら、あっちへこっちへ・・・。

ぐるぐるぐるぐるぐる・・・・・・。

 

ひとしきり歩いて寝かせ、落ち着いたと思って寝室へ行くと、またシクシク・・・

徹夜したことも何度かありました。

 

ペット=生き物を飼うということはお金がかかるということ

 

病院にもたびたび行くので、薬代、診察代がバカになりません。

そのころ、ペット保険を解約していたので、完全な自腹です。

 

ペット病院からは、脚だけでも再生医療をしてみないかと言われましたが、歩けたところで夜中に鳴かれては解決になりません。

 

再生医療だって、結構な値段になるはずです。

 

そうやって肉体的、精神的、金銭的にも疲労困憊していました。

 

愛犬の最後も一緒にいることができた

 

もうこれは、生き物を飼うということの責任なんだ、と腹をくくりはじめた頃です。

 

はじめの発作のように、ちょっとおかしい鳴き方をしたんです。

目があきらかにおかしい状況でした。

 

ああ、これは死ぬんだな、そう思いました。

 

そのとき、いくら疲れていたとはいえ、やさしく面倒をみてあげられなかった夜があったことを、申し訳なく思いました。

 

大変だったのは、こちらだけじゃないんだと・・・。

本人が一番つらかったんだろうと・・・。

 

薬をあげて、何日かは持ち返したようなこともありました。

 

しかし、1週間もしないうちに大きめの発作がきて、痙攣がつづき、我が家のパピヨンは天国へ旅立ちました。

 



ペットは喋ることができない・・・飼い主が察知してあげるのが大事

 

これが私の体験した「犬の痴呆」です。

犬が喋れないからこそ苦しく、悲しく、なんともやるせない経験でした。

 

ペットショップで見る子犬はとても可愛いものですが、いつか来る老い、そして死。

 

可愛いときだけじゃだめなんです。

 

生き物を飼う人には、生き物が死ぬとき、どうなるのか・・・。

 

肉体、精神、金銭、いずれも自分のことを放って費やせるのか、そういう覚悟を持ってほしい。

 

自ら生んだ人間の子供を育てられない人もいるようですが、家族同然となった犬だって、変わりはありません。

 

ペットが病気になっても、側にいて支えられる飼い主でいてあげてください。