猫が押し入れに入りたがるのは「病気」の可能性がある
うちの家では、ペルシャとアメリカンショートヘアを、ミックスさせたような猫を飼っています。
年齢は9歳で、人間で言うと大体55歳くらいになるそうです。
そんな猫ちゃんを飼っているのですが、いつもと何か様子がおかしいのです。
基本的に、寝てばっかりいるうちの猫なのですが、いつもなら何回か姿を現し、エサを食べたり、爪を研いだり、一人で遊んだりしています。
しかし、その日に限っては全く姿を現しません。
心配になり、猫の姿を探してみた所、押し入れの中にいました。
猫は病気になったり、ケガをしたり、調子が悪くなったりすると、敵に襲われないように、安全な場所に身を隠す習性があります。
もちろん私たち家族は、猫の敵ではありませんが、猫ちゃん自身は何か、自分の身体がいつもとおかしいと感じているのかもしれません。
押し入れに入り、元気のない猫を見て「このままではいけない」と思い、手遅れるならないように猫を病院に連れていくことにしました。
「肛門嚢炎」という猫の病気
うちの猫は人一倍臆病者で、人見知りです。
猫用のキャリーバッグに入れると、「どこに連れて行くの?」「怖いよ、出してよ」と言っているかのような、うなり声をあげています。
病院に行くまでの車の中では、ずっと「オ~~」「ウ~~」と言った、今にも死にそうな鳴き声をずっと上げていました。
そして病院につき、診察を受けることに。
診察中は猫の姿を見ることはできませんでしたが、奥の方からこの世のものとは思えないような、叫び声が聞こえてきました。
「ウギャー」というような、とてつもなく大きな雄たけびです。
よく聞いて見ると、その叫び声を発しているのがうちの猫だと直感しました。
他の猫や犬も、病院で診察や治療を受けているのに、とんでもなく叫んでいるのは、うちの猫だけだったのです。
病院の診察が終わり、猫がどのような状態なのかわかりました。
先生のお話を聞くと、どうやら「肛門嚢炎」と病気だということです。
猫の肛門嚢炎は飼い主が気づいてあげることが大切
肛門嚢炎とは、肛門付近のトラブルで、犬や猫の肛門の両脇には、異臭を放つ一対の臭袋が存在します。
この臭袋のことを「肛門嚢」といい、ここには悪臭を放つ分泌物が貯留しているようです。
この分泌物がうまく排泄できず、炎症を起こしてしまったものが、肛門嚢炎と呼ばれています。
肛門嚢炎を治療する時は、貯留した分泌内容物を手で絞り出します。
さっきのうちの猫の鳴き声は、傷口から分泌内容物を手で絞り出した時の声のようです。
肛門嚢炎で画像を検索するとわかりますが、肛門嚢炎はお尻の穴の横の部分が赤く腫れあがり、非常に痛々しいです。
そんな所から無理やり膿を絞り出すとなると、大の大人でも痛さのあまり泣き叫んでしまうでしょう。
肛門嚢炎はお尻の部分が痛々しく腫れているので、本来ならば簡単に気づけるはずなのですが、うちの猫は毛が長いため、そのようなことになっているに気付いてあげることができませんでした。
病院では痛み止めや炎症をおさえる薬、消毒代、治療などで2万円ほどかかり、今後も傷口を消毒するために、病院に通うこととなります。
猫は治療が嫌い?いなくなった愛猫の行方
最初の治療が終わり、うちに帰ってきた猫ちゃん。
実はその次の日、ちょっとした事件がありました。
次の日になり、猫の姿を探してみると、姿が見当たりません。
猫が肛門嚢炎の傷口を舐めないように、エリマキトカゲのようなもの(正確にはエリザベスカラーと言うらしい)をつけているので、遠くに行くはずはないと思っていました。
しかし、家中のどこを探しても全く見つからない。
すると、窓が少しだけ空いているのを見つけ、「もしかして治療が嫌でどこかに逃げてしまったのかも」と思いました。
心配になり、動物保護センターに電話してみましたが、うちの猫が保護されたという情報はありません。
本当に家のあらゆるところを探しても見つからないので、「このままもう2度と会えない」「これが最後の別れなのか」、そんな風に思いました。
しかし、猫がいなくなった時は諦めずに、素早く色々な行動をすることが大切と思い、ずっと探し続けることにしました。
うちの中で、どうしても探しきれない場所がありました。
それが屋根裏です。
しかし、猫はエリマキトカゲのようなものをつけていたので、屋根裏には行けないだろうと考えてたのです。
ですが、屋根裏に続く小さいすき間が開いていたので、もしかしたらそこにいるかもしれないと思いました。
ドラックストアで猫用のまたたびをいくつ買い、猫のおびき寄せる作戦をしてみることに・・・。
もうほとんど諦めていましたが、最後の希望をかけるならここしかないと、屋根裏に通じるすき間にスプレー状のまたたびを、思いっきり吹きかけてみました。
すると、奥の方からつぶらな瞳をしたうちの猫が姿を現したのです。
その姿を見た時、私は正直天使が現れたと思いました。
そして、またうちの猫に会えたという喜びで、胸がいっぱいになったのです。
そこから無理やり嫌がる猫を屋根裏から引きずり出し、治療のために病院に連れて行きます。
それから2週間ほど病院に通い、全部で4万円ほど費用がかかって、猫の様子はだいぶ良くなり、病院に通わなくてもいい状態になりました。
猫の肛門嚢炎は再発しやすいため、病気にならないようにすることが大切
実は、肛門嚢炎は事前に対策ができるもののようです。
飼い主が猫や犬の肛門嚢をしぼることで、内容物がたまらなくなり、肛門嚢炎の予防ができます。
一度発症すると、肛門嚢炎を再発しやすくなってしまうようなので、みなさんも猫がお尻ふきんを気にしている素振りを見せたら、肛門嚢絞りを行ってみましょう。
そして、猫がいつもと様子が違うと思ったら、早めに病院に連れて行くことが大切です。
それよりももっと大切なことは、そのような状態になるまえに栄養のバランスを考え、猫の病気の予防、対策をするということではないでしょうか。
猫が元気がない姿を見て病院に行くことになり、ただ可愛がるだけでなく「普段から猫の健康のことを真剣に考えないといけない」と深く実感しました。