マルチーズは人懐っこい性格で可愛い
我が家のマルチーズのチコは11歳です。
出会いは、ペットショップです。
2匹の小さな小さな、まだ生後1ヶ月も満たないマルチーズが、ショーケースに入れられ、その中で戯れている姿が大変可愛く、その場で購入予約しました。
2匹の見た目はとてもそっくりで、ほとんど区別がつかなかったのですが、よく目が合う方をうちの子に選びました。
生後1ヶ月がすぎて我が家に来ましたが、初日からとても人懐こく、呼ぶとトテトテおぼつかない足取りで、こちらに駆けてくるような仔犬でした。
生活環境によって変わってしまった性格
別人(犬?)のようなその姿が、今も昨日のように目に浮かびます。
と言うのも、我が家のマルチーズは、性格がすっかり変わってしまったのです。
変わった理由は、生活環境にありました。
飼い始めた当事、うちは4人家族でした。
父、母、兄、私(娘)が居ました。
老若男女がいたせいか、我が家のマルチーズ「チコ」も、今では考えられないくらいに外でも社交的で、どんな人にも懐くような可愛らしいワンコだったように記憶しています。
しかし、チコが来てから1年後に父が他界しました。
母は、かなり落ち込んでいたせいもあり、チコにべったり、チコも母にべったり寄り添うようになりました。
それが、チコの性格の変化したきっかけだと思います。
1人にべったりの生活で『他人への認識』が変化
更にその後、すぐに兄も一人暮らしを始めたため、私と母とチコの生活になりました。
私はほとんど仕事で家にいないので、昼間は母とべったりの生活でした。
徐々に私は、チコの他人に対する対応の変化を、感じるようになりました。
散歩に行けば、誰かれかまわず吠え、特に男の人や子どもには、けたましく鳴くようになりました。
家にいても、もちろんお客さんには牙をむくし、物音にとても敏感ですぐに吠えました。
私には基本的に懐きますが、母との絆が強すぎるためか、母の近くに寄ると、「ヴー」っと牙をむくようになりました。
「どうにか社会性をもう一度…」と思い、散歩を増やしたりしましたが、まったく変わらずでした。
そして、11歳になった今も同じような気質のままです。
家族は大好き!他人には牙剥き出しで吠えるマルチーズ
はっきり言って、他人や、特に犬嫌いな人からすれば、可愛いとは言い難い性格です。
犬好きの人が、「可愛いねー」と、近寄ってきてくれても、返事が「…ウ~ッ」ですから、みんな「あ、ごめんごめん!」と去っていきます。
そういう場面に出くわすと、すこし寂しく申し訳ない気持ちになったりします。
しかし、家族にとっては、とても可愛いワンコなのです。
愛情のすべてを、家族にしか向けていないのです。
母は、このところ持病の悪化で、車椅子生活となりました。
そんな母を、毎日一生懸命見守り、何か助けようとしている忠実な姿に心が温かくなります。
母がトイレに行けば、トイレの前でじっと待っているし、お風呂に行っても外でずっと座ってまっています。
母が一度、転倒して起き上がれなくなったときは、ずっと鳴き続けて助けを呼んでいました。
教えていないのに、今や母の介助犬であり、ベストパートナーです。
マルチーズは愛玩犬なので癒やしの存在
マルチーズは愛玩犬と言いますよね。
そして、「抱き犬」とも言います。
うちのチコも、母に抱っこされるのが大好きで、よく抱っこをせがんでいます。
本当に、飼い主の介助犬だし、愛玩犬で、癒しの存在です。
「ドッグセラピーとはこのことだな」と、よく思います。
以上のように、我が家のマルチーズは、生活環境の変化により、一般的な可愛らしいマルチーズと性格が、少しかけはなれてしまいました。
教育失敗といったら、それまでです。
しかし、家族にだけしか向けられない愛情が、日々いとおしく感じています。
まさに「同士」です。
「家族(特に母)を私が守るんだ!」と、毎日忙しく母の後を追いかけているため、いまでも元気ですし、年の割りに若々しい我が家のチコです。
ただし、お客さんや道を歩く方々には、吠えて迷惑をかけてしまう時もあるので、最近は「もう性格は変わらない」と諦め、夜の散歩にするなど、気を付けています。